あなたは海外に投資するとき、どこの国の証券会社を使っていますか?
私は日本の証券口座に加えて米国証券口座でも米国株を取引しています。
かなり昔に海外口座開設ブームみたいなのがあって、その時にFirstrade証券に口座を開きました。
Firstrade証券の口座開設したのが2010年ですからもう11年間米国証券口座を非居住者の立場で運用しています。
最近米国証券口座を使っていてヒヤッとすることがあったので、日本居住者が米国証券口座を使うメリット・デメリットについてまとめてみます。
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- 対象:海外証券口座に興味がある投資家
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- 得られること:海外口座のメリット・デメリットが分かります。
私が米国証券口座を開いた理由は自由を得るため
私が米国に証券口座を開いたのは米国株投資の自由を得るためでした。
2010年当時でも日本のネット証券で米国株は買えたのですが、それでもなお米国に証券口座を持った理由は以下の三つです。
- 海外に引っ越しても継続的に株式を保有できるようにするため
日本の証券会社の独自ルールで海外に引っ越して日本非居住者になった場合は口座を維持できないルールがあります。
当時私は「日本と海外を行き来しつつ暮らしたい」という考えがあったので長期的な観点で米国株を運用するには日本の証券会社は使えないな、と思っていた。 - 多くの米国株銘柄に自由に投資できるようにするため
日本の証券会社ですとあくまで証券会社が選んだ銘柄の中でしか投資できません。
米国の証券会社であれば米国市場に上場しているものであればどんな銘柄にでも投資できるので、良い銘柄を発見したときにどんな銘柄でも買えるようにしたかった。 - 日本の証券会社と比べて米国株の売買手数料が安ったため
当時は日本のネット証券で米国株を売買するときに最低15-20米ドルかかった記憶があります。
Firstradeだと当時たしか6米ドルくらいだったので売買手数料が安いのも魅力でした。
手数料が高いことを理由に売買をしないということを避け、自由に米国株取引がしたかった。
米国証券口座を使って感じるメリット
米国のFirstrad証券を10年間使ってきて感じたメリットは以下のとおりです。
- 投資できる銘柄の種類が多いので投資の自由度が高い
日本の大手ネット証券と違い、Firstrade証券であれば米国市場に上場しているものはどんな銘柄でも投資できます。 - 売買手数料がやはり安い。現時点ではFirstradeでは株・ETFの売買は手数料無料です。日本の大手ネット証券が米国株の最低手数料を無料にしたとはいえ、手数料無料にはかないません。
- 海外に引っ越しても継続的に運用できる。
日本のネット証券口座と違って、米国証券口座の場合は海外に引っ越しても口座を閉じろなどと言われることはありません。実際私もこの10年で日本→シンガポール→日本と国をまたいで引っ越してますが、何の問題もなく継続して取引ができています。
日本のネット証券の場合は、公式には非居住者になった場合は口座を閉じるように言われます。
少なくとも当時私が海外に出る前に使っていたネット証券では 、非居住者になるときには口座を閉じざるをえず継続的な投資ができませんでした。
米国証券口座を使って感じるデメリット
米国証券口座を使うことにメリットはありつつもやはりデメリットもあります。
日本居住者の場合は日本で確定申告をしなければならずめんどくさい。
日本の証券会社だと特定口座という仕組みがあり、証券会社が勝手に所得税を計算し納税してくれていますが、海外口座では自分自身で確定申告をして納税をしないといけません。
私は毎年欠かさず確定申告し税金を払っていますが、めんどくさいものはめんどくさいです。
日本のネット証券で特定口座で海外株を運用できるのは、税務申告の点ではやはり楽ですよ。
資金を引き出すのに手間がかかる。
私の場合米国に銀行口座を持っていないので、資金が必要になったら海外送金 (Wire Transfer) で日本に送ってくるしかありません。
一回30米ドルとか50米ドルとかかかり高いです。
昔は送金依頼書にサインして郵送で送らなきゃいけなかったので最悪でしたが、今はネットで日本への送金依頼を掛けられますから多少は進歩しています。
とはいえ、米国証券口座から資金を引き出す際には海外送金を伴うので資金の引き出しが面倒くさいです。
問題が起こった場合や手続きを英語でやるのがめんどくさい。
米国証券口座ではパスワード忘れてしまって口座にアクセスできなくなった場合、米国のコールセンターに電話してロック解除してもらう必要があります。
私は英語は問題なくできるのですが、コールセンターに英語で電話かけるのって苦手です。
通常は何も問題なくネットで証券口座を使えてても、何か問題があったときに英語で証券会社とやり取りしないといけないのがおっくうです。
自分が死んだときに家族が資金を引き出すのがたぶん超めんどくさい。
米国証券口座の最大の問題は遺産相続かもしれません。
私が死んだときに家族がどうやって遺産を引き出せるのか私には見当もつきません。
私自身はたぶん遺産を海外から日本に持ってくることはできると思います。
具体的には調べてないのでわかりませんがやろうと思えばできると思います。
でも、海外金融機関に慣れていない人がそれを自力でやるのはまず無理でしょう。
私はそういう問題を避けるために60歳になったら海外口座は全部閉じて日本に資金を全部引き上げる計画です。
また、仮に私が突然死してしまった場合に資金をどうやって日本に戻すのかはマニュアルを書いておこうかと思っています。
若い頃は自分が死んだときに口座がどうなるかなんて全く考えもしませんでしたが、年をとってくると遺産相続がだんだんリスクに感じ始めました。
まとめ
私がFirstrade証券を10年間使ってきた経験から、日本居住者が米国証券口座を使うメリット、デメリット(リスク)を紹介しました。
米国証券口座を使えば米国株投資の自由度と可能性は格段にあがります。
ただし、確定申告はやらないといけない、英語のコミュニケーションが面倒、自分が死んだ時の遺産相続は極めてめんどくさいというリスクがあります。
若いころにはまだ人生の方向性に選択肢が多いので米国証券口座を使うメリットがあります。
ただ、40歳を過ぎてくると米国証券口座を通じた投資はあんまりやるべきではないのではないかとも思っています。
日本のネット証券での米国株運用環境も格段に進歩したので、年齢がもう40歳以降であれば今ならわざわざFirstradeに口座を開く必要はありません。
皆さんの中には米国証券口座を含む海外金融機関での運用を検討されている方もいるかと思いますが、メリット・デメリットをきちんと理解した上で実行されることをおすすめします。
年齢が20代なら米国証券口座を試してみてもいいでしょうし、40代以上ならおとなしく日本のSBI証券で米国株を取引することをおすすめします。
なお、米国株取引のための証券会社の選び方については以下も參考にして下さい。