あなたはタワマンの将来的な資産価格についてはどんなリスクがあると思いますか?
最近不動産投資に興味が出ていてタワマンも検討しているのですが、検討の結果私はタワマンは将来的に資産価格が暴落するんじゃないかなと思うようになりました。
タワマンは人気でいま価格も高く資産性もありそうなのに何故そう考え得るのに至ったのでしょうか?
今回はなぜ私がタワマン価格が将来的に暴落すると思うかを説明します。
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- 対象:タワマンへの投資を検討している投資家
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- 得られること:タワマンの資産価格が中長期的に維持できるかどうかについての懐疑的な見方
タワマンの資産価値が落ちやすい要素:正しい意思決定ができない
不動産の資産価値を維持するためには、建物のメンテナンスがとても重要です。
リートの決算レポートを見るとわかりますが、リートを保有しているようなプロの不動産会社はメンテナンスに多額の投資をしています。
災害対策、設備点検・維持、古い設備の更新、時代の要求に応じた新しい設備への更新等をしなければ、一般的に建物の価値は年月が経つとともに加速度的に落ちていきます。
逆に言うと、きちんと設計され適切に設計通り建てられた建物でああることが前提ですが、メンテナンスがしっかりしていれば長期的に価格を維持し収益を生んでくれます。
建物を個人や法人が一棟保有している場合は、そのオーナーがメンテナンスの意思決定をすれば良いのですから簡単です。
問題はタワマンのように数百人に分かれて所有されている場合です。
タワマンの場合は、
- 多いものだと数百の不動産については素人なオーナーがいる
- オーナーの所得状況・経済状況は大きく異なる(一般的に低層階より上層階のほうが高いので所得差がある)
- オーナーの中には中長期的にメンテナンスに投資し、資産価値をあげることに興味がない人もいる
- 中朝敵的なメンテナンスの投資支出ができないオーナーもいる
- 相続などで所有者がわからなくなる区分も出てくる
というようにしっかりした建物のメンテナンスの意思決定ができなくなるリスクが多すぎます。
タワマンについて私が一番リスクだと思っているのはこの中長期的に正しいメンテナンスの意思決定ができなくなる要素が多いという点です。
仮に入居当初はまとまって意思決定ができたとしても、10年、20年経っていけば所有者も変わります。
素人の烏合の衆が中長期的に正しいメンテナンスの意思決定をできると想定するほうが現実的ではないです。
三菱地所、三井不動産、住友不動産のような大手不動産が都心に高層のオフィスを持っていますが、この場合以下のようにきちんとメンテナンスができます。
- 大手不動産会社が一棟丸ごと所有していて、ほぼ自社で意思決定ができる
- オフィスの賃貸ビジネスが彼らのビジネスの根幹なので、中長期的にバリューアップに投資することは経済合理性がある
- プロの不動産会社なので、何をしたら良いのかは明確にわかる
- メンテナンスに投資する十分な資金力がある
大手不動産会社が自社で持っているオフィスビルとタワマンと比べると、いかにタワマンがメンテナンスに関して意思決定不全に陥るリスクが有るかわかると思います。
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- 素人の烏合の衆がタワマンを区分所有していて意思決定がまとまらない
- タワマンの中長期的な資産価値の向上に興味がないオーナーもいる
- 素人集団なのでタワマンのメンテナンスで何をするのが良いのかわからない
- 修繕積立金が足りない場合、メンテンナンスに投資する資金がない場合もある
- 管理費や修繕積立金を支払えなくなる世帯がほぼ確実に出てくる
タワマンは近い内にババ抜き状態になり投げ売りになる
区分所有のタワマンは正しいメンテナンスの意思決定ができなくなり、必要な改修や設備の更新ができなくなる可能性があります。
その場合何が起こると思いますか?
私がタワマンのオーナーであれば、築10〜15年くらいで売り逃げします。
適切な改修・設備更新ができなくなり資産価値が落ちていく前に逃げるということです。
当然同じようなことを考えるオーナーは多いでしょうから、同じタワマンで売り出し物件が大きくなり成約価格は下落していきます。
ここで売り逃げするにも資金力が必要ということに注意してください。
以下のような人は売り逃げをすることもできません。
- 大きな住宅ローンが残っている(任意売却は可能ですが、引っ越し資金の懸念があります)
- 引っ越しする資金がない
資金力があり、タワマンの資産価値について理解しているオーナーから先に売り逃げをする可能性が高いです。
そうすると、残ったオーナーは
- 資金力がなく
- タワマンの資産価値についてあまり理解していない人
の比率が多くなり、メンテナンスの正しい意思決定は更に難しくなります。
残ったオーナーはタワマンが投げ売りされ、自分の不動産価値が暴落しているのを横目で見ながらそれでも売却の意思決定ができないというひどい状態に陥ります。
まさに、タワマンは中長期的にババ抜き状態になります。
そして、これはタワマンの所有者の構造上ババ抜きが起こりタワマンの資産価値は暴落するということです。
在宅勤務が主流になればあえて都心に住まないといけない理由はない
タワマンに住む理由は都心に近いところに住むためですが、在宅勤務が標準的な選択肢になり毎日会社に行かないのであれば別に都心に住む必要はありません。
2020年の感染症の結果、多くの企業は一気に在宅勤務にシフトしました。
感染症の感染拡大がおさまるとともに完全な在宅勤務はやめる企業も出てくると思いますが、いままでのように会社のスタッフが全員電車に乗ってオフィスに行かないといけないという勤務スタイルに戻らない会社も多いでしょう。
私も在宅勤務をやりましたが業務上は特に支障はありませんでしたので、仕事が普通にできるならなんでわざわざ時間をかけて会社に行かないといけないんだろう?と感じます。
もし在宅勤務が継続されるとすると、
- 家は広いほうが良いですし
- 部屋数も多いほうが良いですし
- 家にいる時間が長くなるので、庭とかあったら最高です
こうなると住宅を買う際にわざわざタワマンを買いたい人は減るんじゃないかと私は予測します。
このため需要面でもタワマンへの需要は伸びないのではないでしょうか。
まとめ
タワマンの資産価値は構造的に下落すると思う理由について紹介しました。
ポイントは、この話が社会の構造上の問題だということです。
社会における構造上の歪み・問題は、時間の問題で必ず顕在化します。
そもそも日本は構造的に人口減少社会で、トータルの賃貸需要は長期的に増えるわけがありません。
人口が減りさらに在宅勤務が一般化する中でタワマンへの需要は構造的に増えていきませんし、需要と供給の関係上タワマンの価値はそもそも上がっていきません。
この中で、タワマンはその性質上中長期的なメンテンナンスについてリスクを抱えているので、リスクがわかっている人は資産価値が暴落する前に売り逃げしますね。
他の所有者もリスクに気付いて売り始めると、不動産仲介のウェブサイトでは同じ物件でものすごい量の売り物件が出てきて、価格が下がっていく可能性が高いです。
その結果、タワマンの価値は暴落していくと私は思います。
なお、都心の超一等地にある戸数が多くない集合住宅は、以下の理由で中長期的に資産価値を維持できる可能性が高いと思います。
- 立地がとても良ければ、幾ら日本が人口減少社会だと言っても需要はあるのでそもそも資産価値が落ちない
- 戸数が多くなければ、メンテナンスの意思決定は可能
- 都心の超一等地の物件を買える人は、収入も資産もあるのでいざとなったらメンテナンスへの投資も可能
それ以外のタワマンは、私にはリスクの塊のように見えます。
タワマンを買うかどうかはあなたのリスクと判断ですが、私が紹介した投げ売りとババ抜きになる可能性を考慮して投資してみてください。
なお、私はタワマン買うより同じ資金でJリートに投資することが、投資としては優れていると考えています。
以下記事を参照ください。