あなたはiDeco(イデコ)で何の商品をどのような理由で選びましたか?
iDecoは運用益が非課税でかつ掛け金が全額所得控除を受けられるので、運用面でも節税でもとても有利な商品ですよね。
将来売却時の手続きは少し税金面を考慮する必要はありますが、私のような退職金が殆どない中小企業勤務の場合は税金負担はないと考えていいでしょう。
つみたてNISAは運用益が非課税ですが掛け金の所得控除はないので、iDecoはつみたてNISAよりも有利な制度です。
申込時に会社の人事に手続きしてもらわないといけないのがめんどくさいですが、それを上回るメリットがありますよ。
私もiDecoを始めようと思い商品をいろいろ見ているなかで、iDecoの商品の選び方についての考えがまとまりましたので紹介します。
結論は、iDecoでは米国株に投資する低コスト投信を選ぶのが正解です。
- 対象:iDecoを始めるにあたって、運用商品を選んでいる投資家
- 得られること:私が考えるiDecoでのおすすめ商品がわかります
iDecoの商品の選び方
低コストの米国株投信がおすすめな理由
iDecoの運用は長期間に渡ります。
基本的にiDecoは満60歳になるまで受け取れません。
すなわち、30歳からiDecoを始めれば運用期間は30年ですし、40歳から始めても20年という長期の運用になります。
長期的に運用するという点でiDecoはつみたてNISAと似ているので、同様の基準で商品を選ぶと良いと思います。
私が提唱する基準は、
- 投資対象は米国の主要企業(iDeco投信を使うので投資対象指数はダウ平均かS&P500のどちらか)
- 信託報酬ができるだけ安いこと
の二点です。
でも書きましたが、20年、30年を超える長期運用では基本的にはグローバルの株式投資をすべきです。
株式のほうが長期的には債券よりもパフォーマンスが良いためです。
そして、株式と言っても、日本株ではなく、中長期的に世界のイノベーションをリードし、世界的な企業を排出していくであろう米国の主要企業に広く分散投資することが最も効率的な投資です。
日本株に投資する投信に資金を入れて、20年、30年後に大きく値上がりしていると思いますか?
また、コスト面では長期投資では小さなコストの差が大きな違いを生んでしまうので、単純にコストが低いものを選びましょう。
バランス型投信は選ぶ必要はない
iDecoで買える商品としてバランス型投信というものがあります。
バランス型というのは
- 内外の株式・債券にバランスよく投資し、分散投資をすることでリスクを抑える
- 定期的に各資産の割合をリバランス(調整)してくれる
という商品です。
私の考えでは、バランス型投信を選ぶ必要は全くありません。
なぜなら、
- 債券を含めることで運用パフォーマンスが落ちる
- 株式値上がり益を最大限享受すべく100%米国株投資がどの世代にも最適
- 余計なリバランスが入るためにコストが割高
となり、米国株100%に投資する投信のほうがバランス型よりも、パフォーマンスが良いことがで期待できますし、コストも当然安いため、バランス型投信を選ぶ理由がまったくないからです。
個人のリスク許容度が人によって違うからバランス型が良いのだ、という議論もあるでしょう。
ただ、考えてみてください。
iDecoに拠出する金額は、自営業の方で最大月6.8万円、その他の方は月1.2万円〜2.3万円しか拠出できません。
私の場合確定給付年金のみに加入している会社員なので、月1.2万円、年額14.4万円しか拠出できません。
こんな少額の投資で株式と債券に分散して、リバランスして、何の効果があるの?
というのが私の非常に大きな疑問です。
金融資産1億円持っているサラリーマンが100%米国個別株に投資していたら、多少分散したほうが良いかもね、と思いますが、
たかが年額14.4万円の投資でリスク分散を考える必要は全くありません。
長期投資では、すべての世代の人において全力で最大リスクをとって最大リターンを目指すのが正解だと私は思います。
大手ネット証券で取り扱っているiDecoのおすすめ商品
iDecoの商品の選び方の考え方をベースに、大手ネット証券(SBI証券、楽天証券、マネックス証券)で取り扱っているiDeco商品の中からおすすめ商品を紹介します(2021年1月時点)
SBI証券
SBI証券で、iDecoで買える米国株投信で一番コストが安いのは三菱UFJ国際-eMAXIS Slim米国株式(S&P500)です。
信託報酬は0.0968%以内と書いてありますので、非常に低コストです。
時価総額も5000億円越えており、それなりに規模もあります。
その他選択肢として、大和-iFree NYダウ・インデックスもありますが、信託報酬が0.2475%と高く、対象指数もダウ平均とS&P500よりも分散効果が低いので、あえてiFree NYダウ・インデックスを選ぶ理由が見当たりません。
給与振込口座を住信SBIネット銀行にし、SBI証券で資産を運用している場合は、SBI証券でeMAXIS Slim米国株式(S&P500)を使ってiDecoで運用するのが最も合理的な考え方です。
私の場合、SBI証券でつみたてNISAを運用しているので、iDecoもSBI証券でまとめたほうが管理上は楽ですね。
楽天証券
楽天証券では、iDecoでeMAXIS Slim米国株式(S&P500)の取り扱いがないため、楽天・全米株式インデックス・ファンド一択です。
ただし、SBI証券でeMAXIS Slim米国株式(S&P500)を積み立てる場合に比べ毎年のコストが若干高くなってしまいます。
楽天証券のiDeco商品に取り扱いを見る限り、楽天証券でiDecoの運用をするメリットはないと感じます。
マネックス証券
マネックス証券でiDecoで米国株式に投資できる投信は以下の二本です。
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)(信託報酬0.0968%)
- たわらノーロード NYダウ(信託報酬0.2475%)
SBI証券ではたわらノーロード NYダウの代わりに大和の投信が入っていましたが、構成としてはSBI証券と同じです。
マネックス証券にメイン口座があるのであれば、マネックスでeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を使ってiDecoを運用するのも悪い話ではありません。
ただ、SBI証券にメイン口座がある時に、わざわざマネックスにiDeco口座を開く理由も全くありません。
まとめ
本記事ではiDecoを始めるにあたっての商品の選び方と大手ネット証券ごとのおすすめ商品を紹介しました。
- 投資対象は米国株
- 信託報酬が低い
というのが本ブログで提唱するiDecoの商品選びの基準です。
大手ネット証券のiDeco商品では、
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
を使うのが最も合理的な考え方だと感じています。
iDecoにてeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を数十年運用した場合どういうリターンになるのかはわかりませんが、私は米国株の未来に期待しています。
iDecoのお金は60歳〜70歳の間に受け取ればいいのでこの間に株式市場がバブル的な価格になったときに、全額一時金として受け取るのがいいでしょう。
iDecoは制度的に非常に有利な制度です。
60歳になるまで資金を引き出せないという制約はありますが、逆にこのために老後の資金を取っておけるというメリットでもあります。
有利な制度は最大限に利用して、資産運用効率を最大化していくのが正しい方法ですので、あなたもぜひiDecoを始めてみましょう。
なお、支えるべきご家族がいらっしゃる場合は、米国株ではなくまずは個人年金から始めることがいい場合もあります。
以下の記事も参考にしてください。